冬眠中さんがつけた評価
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「さよなら〜」で知った作者。
完結を待っているのですが、あの作品の付箋がどんな意味合いになるんだろうと、個人的にはハピエンだったらなと願っているのですが、作者の他作品でテイストを学ぼうと手にした作品。
ちょっと…唸ってしまうこの作品は、「さよなら〜」に甘いハピエンは難しいのかなと感じました。
物語は続くのだと思いますが、構成は壮大なグルーミングなのかなと。本当に胸が苦しくなりました。
何も無い地方の村の高校生達。先祖代々同じ場所で、同じ人達と暮らしている集落。
不思議な事に女性は村外に早いうちから出て行って、高齢者と男性しかいない。
神主、畑、旅館、公務員…物語に出てくる大人達、皆んなどこかおかしいんですね。もう少し言うと、高校生達と直に接している大人達は、またさらにおかしい。
そんな集落に残る山岳信仰…村の戒律は残っていて、それを当たり前と生活している高校生達。どこかおかしい村を愛していて、残したいと思っている。高校3年生なのに、将来どうなりたいというよりはこのままが良いと。
彼らをそんな風な心持ちにしたのは、東京からやって来た少年 三妻。(彼が耕太はじめ壮大なグルーミングをしている…)
三妻もまた不思議で、彼の父親もまともじゃなく借金だけ残して亡くなったAV監督(殺されたのかもしれない…やっている事も酷かった。)
「少年愛好会」、土建屋、大企業の社長…がそんな村の高校生達を好きなようにしている。
物語を生々しくさせていないのは、どこか怪談を読んでいる様な感覚になるからで… (正体の分からない、ゾッとするものが物語の中にありました。)
どこか皆んな、その事は知っているのに若者だけが知らず知らされず。少年達だけが良かれと思って今いる場所を良くしようとしている…というか。
彼らの先頭に立ちそうさせている三妻は、未成年をアテンドできたりと…その人脈はどうして?と思ったら、彼の後ろにはまた大人達がいるんだろうなと。
それはもう物語に出ている大人なのか、これからなのか…(診療所の先生??学校の先生もかなりやばい…)
そんな怪談を読んでいる様なミステリーを読んでいる様な物語。 それがBLだから耽美で、少年達が儚いなと… 彼らの純粋な少年らしさが苦しい。
うーん…と唸ってしまう作者です(閉じる)
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