長崎先生の他作品「今もあなただけ」で、先生が味わいある絵を描かれると知り、本作を読むことにした。
別物なのだが、ヒロインの彼ダンテへの感情の持ち様は似ている。
変わらず雰囲気のある二人を描かれるので、それについては満足だが、風景が比較的
少なく、多少は町の景色ありながら、旅情がかきたてられる展開でなく話が新味無しで、何となく顔アップの多さとベッドシーンの長さが気になった。
HQのお馴染みストーリーを、長崎先生の絵柄の持つ色気で目先が変わったように見せただけに思えてしまう。
心の言葉は上手いし、コマの繋がりに唐突感はないが、空白と再会、埋めるものが友人の行動だというところに、何となく綱渡りのような、難しい愛の再生・修復を感じて、結末に至るまでの流れのなかに戻るべくして戻った二人とまでに見えなくなりそうになる。
ところが、最終、二人が収まってみればそうだよね、そうじゃないとね、と、確かに感じる。
それでは果たして、その4年間、二人にとり短くもない4年という歳月、あれは一体なんだったんだろうと思う。友達あっての出会いも距離も再会もとなると、二人の関係の危なっかしさは、読み終わってもどこかにモワッと、残りっ放しなのだ。
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