傲慢で自信家な美人ヒロインディーリア。自らがやらかしてしまったことには、謝罪をして費用を払い、代替えを用意すれば事は足りると当然のように考えていたが、そうはならなかった。そんなことでは、取り返しのつかない事もあるのだと 彼女は岐路に立ったの
だ。子供時代の悲しみを忘れ 奮い立たせるようにして身に着けた処世術だったが、方法が間違っていた。そんな彼女だから付き合っている男性が役に立ってくれるはずもなく独り途方に暮れていく姿が哀れだ。しかし、ヒーロークレイグと娘アリソンによって 彼女は浮上する。失明してからのクレイグの背景にある壮絶な努力と娘に向ける愛情を 目の当たりにした彼女は強く強く彼に惹かれていった。アリソンやジェーンにはディーリアの追体験的要素が絡んで物語は佳境に。しかし、本当の闇を恐れているクレイグの拘りが2人の間を縺れさせる。彼女に惹かれていくことで自分に自信を無くしていくクレイグも哀れだが 娘に支えられて決断する。総じて哀れを催す物語となっているが何故か引き込まれないことが歯がゆい。どんな事象も傍観者となって眺め、頁を繰る作業だけを進めてきた感は否めない。想像するに、2人の抱えているものを表す際の温度差のせいかもしれないと感じる。ヒロインは生い立ち(トラウマ)を自分の口で語っているが、ヒーローの場合 仕事仲間からの又聞き。「話してごらん」というセリフが 彼のプライドの表れ に見えて劣等感との闘いを表面化させてはいない などというところか。
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