あとがきで(出版社変更があり)前作から4年空いたと知りましたが、ストーリー上でもいきなり4年が経っていて驚きました。今回はミステリー要素はなかったものの、心理戦というか互いの思惑が絡み合って、ヘタしたら犯罪になりかねないという意味では、ある
意味ミステリーだったと思います。そして今回もまた予想・予測をことごとく裏切られ、思いもしない展開になるので楽しかったです。一方で慈英×臣の心情面を考えると、興味深くもあり重くもあり、羨ましいような遠慮したいような…不思議な感覚になりました。重過ぎる情と強い執着を向けられて嬉しいと同時に怖くもあるとか、それらを向ける方も相手を哀れに思いつつ手放せないとか、一見両立しないはずの感情なのにどちらも真実という…難しい感情がうまく表現されているなと思いました。2人はジグソーパズルの隣り合わせたピースのように唯一無二の存在なのだなと強く感じて、ますますシリーズが好きになりました。
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