冒頭から実母やヒーローにひどい扱いをされるヒロイン。これだけでもじゅうぶん可哀想なのですが…。
強制されてはいなけれど必然的に節制した暮らしぶりになるヒロインは、周囲の人々によって卑屈にならず純粋で慈愛を纏うすてきな女性に成長します。彼女
を含めた一族(特に父親)には憎しみしか向けなかったヒーローも、彼女のその優しさに凝り固まった心も落ち着き、ラストは立派な一国の王となっていたように感じます。
中世ヨーロッパ風の決闘シーンや戦争描写、血生臭い報復行動など、リアルな描写も読み応えがあって良かったですよ。強いて言うならヒーローがヒロインに対して段々過保護になっていくので、当初とのギャップも面白いけどそこはもう少し大人な感じでいて欲しかったかな、と。でもオススメします。
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