この方の作品、11作目ですが、かなり面白く、ページ数も多くて読み応え十分でした。
最近の作品よりも、初期から中盤の作品のほうが、文章が端的でシャープな感じがして、状況の積みかさねもなるほどと納得させる筆致だと思います。
栞にとっては、や
りきれない始まりが、相手の心が寄り添うようになってから、自分の心の底の本音に気づくことができて、ようやく主役の2人はお互いを無二の存在と認め合ったと思います。そこまでの展開の描き方が、この作者さんの真骨頂で、寄り道せず、ストーリーを進めるには枝葉の説明なんてなし というはがりの、クライマックスでした。(ヒーローは副社長である必要あり? とか、学友だった人ばかりの脇役なのに、その背景はほぼなし とか)
番外編が、意外にユーモラスで、もっとこういうコメディっぽい作品も描いてほしいなと思いました。他の方のレビューにある、Web の翠編も入れてほしかったです。
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