表紙と題名にいい意味で裏切られました。
官能的な場面はそのままの表現では伝わらず、私自身は痛みとして感じたせいです。
シーンの背景的に、プライドの高い主人公がその矜持を傷つけられる場面のように感じて、その痛みの比重の方が高かったからです
。
また、それだけでなくそこでは叶わない恋心への疼きもひしひしと伝わってきました。
ですので、同じ感性を持つ方には表紙のような内容を求めても期待が裏切られるかもしれません。
でも、私はこのお話が好きです。
まず文章が涼やかで、とても綺麗だと思います。
他の作品でも澄んだ空気感のある文章だなと感じてましたが、この作品でもそうでした。
すれ違いの場面は切なさが演出され、でも最後にはお互いを深く想い合っているのがとてもいいです。
というか、好みのど真ん中です(笑)
最終的には上手く行き過ぎかなと思うかもしれませんが、私はこれくらいハッピーエンドの方が読後感良くて満足です。
英国を描くお話は階級等の身分差がかなり高い壁として設定されてますが、物語なのでそこは乗り越えて欲しいと思っちゃう私は一般の甘い日本人だからかもしれません。
そういう意味では番外編のアルの話はあんまり好きではないですが、主人公カップルは私の中では完璧でした。
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