ヒロインが硝子と縁深いので、そこに使われる色がたくさん出てきて、想像をかきたてられる色彩豊かな文章でした。中盤くらいまでは暗く冷たい雰囲気で物語が進みますが、程よい感じでヒーローの心の移り変わりが垣間見えるので、重たい空気にはなりませんでし
た。辛い思いをしながらも、聡明でまっすぐ前を見るヒロインはとっても好印象でした。ヒーローも、不遇のなかヒロインという光明に癒され励まされながら、懸命に過酷な運命に立ち向かっていく姿がとても格好良かったです。ヒロインにプロポーズするシーンにキュンキュンしました。読後、温かい気持ちになれました。閨のシーンはほぼない(そういう描写はあるけれども、濃くない)ので、そういう描写が多くある方が好みのかたは少し物足りないかもです。
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