本編シリーズ11作め。ラストは、いつになく闇いお話でした。村社会という日本人ならではの社会性のあり方に、精神的な凄惨さ・重苦しさを感じました。感想を書くにあたり、今のこの微妙なニュアンスを伝えるのに日本語(漢字)は最高の言語だなと思うのです
が、今回の内容は単純に明かりがない「暗い」ではなくて「闇い」んです。文字通りの闇であり「病み」でもあり、希望がなく魂が傷つけられるような事実に、同じ性を持つ者として強い憤りと悲しみを感じました。耳を塞ぎたくなるような事実が隠されていても、人の生死が関わっている以上、探偵として真実を明るみにした事は間違っていなかったと思います。結局3作前から引き継いだ力が影響して、新たなトラウマ体験をしてしまった映と、一方で着々と夢(?)欲望(?)を実現していく雪也の重すぎる愛が明るく対照的で、重くなりすぎるストーリーを多少は軽くしていたように思います。
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