この子に父親の顔を見せてあげたい。
父親が、私の顔を見たくないとしても。
7年前、ヴィヴは異国から来たガーリブを一途に愛した。
けれど優秀なドクターでありながら一国の皇太子でもあった彼は、
ヴィヴとの関係を汚らわしい秘密のように周囲にひた隠しにした。
そのうえ、泣きすがる彼女を、さよならも言わずに捨て去った――
思いがけず授かった小さな命を彼女の身に残して。
彼が知る由もないその贈り物を糧に生きてきたヴィヴは今、
ある決意を胸に、ガーリブとの再会に臨もうとしていた。
今の彼が真実を知るに値する男性かどうかを見極めるために。
それまでは、6歳になる息子のことは隠し続けなければ!
息子を奪われ、私だけ追い出されたりしたら、私は生きていけない……。
*本書は、ハーレクイン・イマージュから既に配信されている作品となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。