夜中に読んでしまって、しんとした静けさが少し怖かった。身近なひとを作者と同じ病気で亡くし、一緒にいた最後の6ヶ月間、自宅で途方にくれる日々に何を考えていたのだろうと折にふれて思う。少しでも近づきたくて知りたくて、辛くなるのは分かっていてもこ
うした日記を読んでしまう。
好きな作家さんと数ヶ月前雑誌対談をしていて、新作で文学賞受賞の報もあったので、いきなりの訃報で驚きました。Twitterでは全く病気の影も見えなかったのに、ほんとうは無人島に流されたような隔絶した静かな世界で、日々変わってく病状と淡々と行ってく人生の終いごとを最期まで冷静な書き手の目で眺めて書き残されていました。最期に書かれた数行の文章までが、死ぬまで物語を紡ぐ小説家だった作者さんの凄みを感じます。
15日まで、他の著作もセール中。実は作者さんの日記(エッセー)は初めて読みました。日記中にも触れられている再婚されたお相手について書かれたエッセーもこの機会に読んでみます。
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