我が子にバレンタインと名づけた意味を、
いつかあなたに伝えられたら……。
14歳で両親を亡くし、伯父に引き取られたゾーイ。
伯父のもとで働く気鋭の弁護士ジャスティンに恋をして、
20歳のバレンタインデーの夜、ついに夢が叶い、
長年憧れてきたジャスティンと結ばれて結婚した。
だが、幸せは長くは続かない。彼にとってこの結婚は、
ただの出世への足がかりで、愛人と密会までしていたのだ。
傷ついたゾーイは家を出た──妊娠していることは告げぬまま。
4年後。幼い息子が難病に罹り、骨髄移植が必要となった。
私が不適合なら、残された希望は父親のジャスティンだけ……。
複雑な思いを胸に、ゾーイはかつての最愛の人のもとへ向かった。