「月と金のシャングリラ」からの繋がりから前作に当たる本作にやって来た。
世界中行ったことのない国や地域がまだ無数に有って、自分の限りある命ではチベット(現地ではプーと呼ぶそうだ)へは到底無理なので、この漫画はその行けない場所だからこそ私の
旅心に訴えるものが驚くほど大きく、写実的とか巧拙を超越して作者の見てきたその地域の様子が感じ取れた。
チベット初心者が、現地ガイドと賄い担当のお二人に連れられて、通常観光客が踏み入れることのない奥地に入り込む。こちらの好奇心が満たされる上に、物語を貫く行方不明の兄捜索というテーマに沿った、主人公のキャラ設定による展開がある。
読了前だが、日本とは異なる仏教や僧(尼僧)の在り方なども面白くて一旦レビューを、入れておきたくなった。お経の声や山地を渡る風の音、等も当地の感覚を再現しようと轟いている感じ。鳥の囀りが絶えない様なのも伝わる。ボン語に漢字を音で当て嵌めただけと思っていたら「是」で意味が!?
まだ数巻残し、読了後評価を修正する可能性皆無とは言えないが、作者のチベット知識が詰め込まれた本作品の魅力は、自分の手足と感覚で現地で実感したものが投影されていることにあると思う。
気になる点1つ。医学生としながら思慮が足りない点。
夜の虹、見てみたい。2巻の中でおじいさんやお兄さんのこと、92頁迄の描写、一瞬頁めくる手が止まる。
読了した。徳丸、そうだったのか。貴方の「流転」が大きかった。でも、ソナムの選択はホッとしたような、いやかなり勿体ないような…。言葉が出来るから。
おじいさんのやったこと、ちょっとね、そりゃないわと。蔵西先生がそういうお話に作られたのだから仕方が無い。
国境紛争は小さな問題ではないし、警備に神経質なのも想像が付く。付録的に人の子なのだと思わせてクライマックスの本作の緊張が緩んだ。
ヒマラヤをひと目肉眼で下から見上げてみたかったけれど、せめて、この漫画でチベットの多くのことが吸収出来て嬉しかったし、話としても、徳丸の家族史の一端として読んで楽しんだ。
昔、某寺でパキスタンの方の仏教を学ぶツアーの参加者募集を見かけて、激しく心動かされながら参加できなかった。チベット仏教を少しでも知れて、大阪の仇を京都で取り返しても意味はないが、凄く満足感がある。信心は全然ないが寺巡り仏像巡りしたくなった。
蔵西先生には服や食物編も描いて欲しい。
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