「僕の国を見て、僕の国民に会ってくれ 君の素晴らしさを彼らに示してやってほしい」ムラトがダフネに言った言葉です。確かに愛の言葉ではなかったし、重圧を考えて逃げ出したとも書かれているのだからダフネの気持ちはわかります。けれど、ムラトの言葉には
ダフネを軽んじているものではないし、何よりも国を想っての責任感はバシバシと伝わってくるので、やはり二人には離れて考える時間が必要だったのだとよく分かりました。権力志向の一族の中でダフネの孤独も読み取れてそれでもムラトに惹かれる気持ちも伝わって読み手の私も悲しい気持ちが湧いてきます。ブリタニーを理由にムラトに会っても、彼の気持ちが無い以上素直になれないダフネ。ジレンママックスです。どこまで行っても「俺様」なムラトにどうやって愛を認めさせるのか。二人の間には歯がゆいほどの行き違いが描かれており少々苛立ちも含んではいますが、面白い。父王は息子ムラトの気持ちをよく分かっていて、計画したダフネ誘き出し作戦ですから、ムラトはまだまだ父王を越えられていないのかもですが…。何よりムラトがカッコイイ結局、お互いが「愛している」というのを待ち望んでいてそれが聞ければお互いに素直になれたというドラマでした。
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