独特の表現がクセになる先生。
絵も個性的です。
時に浮世絵のような濃淡のみで情景や静寂を、血飛沫の勢いで緊迫感や非情を。
目線や噛み締めた唇で感情の昂りを表現されています。
絵が上手すぎると言っていいと思います。
ストーリーの展開
も緩急が心地よく繰り返されていきます。
人はひとりで生まれてひとりで死んでゆくけれども、生きて行く間は誰かの腕の中にいていい。
愛を傾けあえる人がいる事はどんな状況であっても幸せなのだと松庵先生と雪を見てるとじーんわり温かくなってそう感じます。
甲斐甲斐しく雪やけが人の世話を焼く松庵先生の表情を見ていて自然に頭に浮かんだ言葉は「甲斐性のあるオトコ」。腕っ節がどうのでは無い、短小がどうのでは無い笑、いい男とはこう言う人なのだ。
対して雪は情が強い。ばんっ!と反発する力が強いしなやかな柳のような印象。普段はしなしなと風に揺れるような風情なのに、一瞬見せる恐ろしい程の情念の表情が目の裏に焼き付きます。
色気のある作品だとおすすめしたい。
江戸の片隅で生きた二人に出会って欲しいと思います。
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