ダンもメグも同じ苦境を分かち合って育ってきた。欲しい愛情に恵まれずお互いを拠り所にしてきた子供時代はよく分かったが、メグとは違いダンは、定住に拘らずとも生活し生きていけると学んでしまっている印象を受け、ハピエンを迎えても2人の未来に影を落と
しているように思うのだ。珍しいことだが、HQの特典としてのエピソードは、この事を暗示しているように読める皮肉さだ。だが、この物語の中でダンは、放浪することの何に喜びと安寧を得ていたかという部分が欠落していると思う。「君がいるから放浪できる」とするには、説明不足に思える。〇〇の朝日が素晴らしいので何度も足を運ぶなどの、旅の喜びを語らせていないので、世界一周旅行も ただ流れたいだけと 実生活からの逃避にみえて 唯の遊び人に見えてしまう。それがダンなのだという印象が正しいのなら、この先メグはかなり寂しい生活となることは予想出来て、表面的にはハピエンでもかなり悲しい結末に見えてしまう。メグが良いならそれでいいのだけれど、結婚式では彼女の憤りが見えるのでどうなんだろうとモヤッと残るものがある。
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