204ページ。
1ページから22ページまでの短篇を19本収録した短編集。
ふとした考えを発展させた、著者独特の夢想の世界。ノスタルジック。
キャラクターは「私」「友達」「他人」などの概念で成り立っている感じで(話によって見た目は同じで
も年齢などは違う)、名前のある個人ではなく、それが作品の雰囲気に良く合っています。
同じ造りの短編集がいくつも出ており、これは4冊目。
〜〜〜特に好きな話の感想〜〜〜
・『メロディ』(16p)とうの昔に廃止された、夕方の防災無線の音楽の出どころを探す小学生二人。毎日少しずつ、というのが小学生らしく懐かしい。そして集音器は憧れ。
・『かくれんぼの心得』(22p)真剣に考えると、確かにかくれんぼって奥深い。
・『小物入れの世界』(8p)奥に行くほど「小物」としての純粋さが増すこの感じ、わかるー!
・『知恵』(16p)一方通行の迷路、すぐそこに見えている場所に行けないもどかしさ、自分でどうにかしなくてはならないと思い込んでしまった時の子供時代の心細さ。それを引き起こしているのが「トロフィーを乗せたリヤカー」であるというのがシュールで良い。
・『二匹目の金魚』(20p)祭りのない日に縁日の屋台が営業しているという「屋台の巣」が素敵。行ってみたい。
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