ストーリーは、名前の因縁が絡んで、遺言作成事後の状況にまつわる名前のオチまで、余すところなくとても面白かった。
絵が素朴で、メイン二人に華が足りない。
話中の公爵家の名前、不慮の死を遂げた実在したプリンセスを輩出した家と同じで逆にいいん
だろうか、くらいに驚いた。よく、もじった匂わせ名や、ありそうでもあり得ない架空名を使って、ガチ被り回避していると思うのに。「公爵」ですからね、ただ貴族というのではなく、貴族中の貴族、血統大事の階級社会で王家に連なるほど最上級爵位。かつて報道されたご結婚時の生家のお写真を彷彿とさせるお屋敷の絵も、どこかもっとフィクションフィクションすべきではないのかなんて、こっちが心配になる。
邸宅やその内部のセレブ感はあるので、メイン二人のコマがロマンチックであったなら、と思う。デートの絵が恋愛感情の盛り上がりを見せつけてくれていたら。
見せ方も普通だったが、心情のビジュアライズを計算したコマをもっと出してくれたら、ドラマに、より緩急を感じられたかも。好きあってる二人に見えにくいのだ。
男性にはもう少しチャーミングさか、色気くらい欲しい。
彼の母親より叔父さんのほうが老けている! 叔母さんとの生活はストレスが?
メイン二人のロマンスや一族の株式問題でストーリーを楽しんだが、最後の叔父さんサー・チャールスの歩み寄り場面はもっと面白かった。
ヒロインも彼も、疑いを相手に向けたことは同じ。実際言葉の礫を相手に放ったかどうか、の違いはあるにしても。
それにしても、財産があることは人を作らない、とのジェフの考えは、このストーリーにおいては特に一理あるとしても、人を育てるのに財産が役立つことは一般にはあるだろう。現にドナルドは親に強く出られないだけの人間なのだし、「もうたくさんだわ」位ならまだしも、一方的に被害者顔して放ったセリフ、ローガンには負けるが、それでもなかなかにきつい。
あと、ノーマン・デイさん、幸せだったんだろうか。些細なことかもだけど何となく。
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