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作品内容

美しい家政婦マロンは屋敷の主人に襲われて雨の中へ逃げ出したところを、高級車で通りがかったハリスと名乗る男性に拾われた。今の彼女は男など信じられない心境だが、ハリスの静かな灰色の瞳が警戒を緩めた。やがて着いた場所を見て、マロンは油断した自分を悔いた。そこはまわりに人家がひとつもない廃墟のような屋敷。先程の悪夢を思い出して怯えるばかりのマロンはまだ知らない。このハリスとの出会いが、雨続きの人生を晴らす一条の光明になることを――。

詳細
  
簡単
1巻から|最新刊から

作品ラインナップ  全1巻完結

レビュー

雨のなかの出会いのレビュー

平均評価:4.9 23件のレビューをみる

最新のレビュー

  • (5.0) 雨もまた素敵
    まんそんさん 投稿日:2022/12/16
    何という出会いなのでしょうね。一度通り過ぎてからまた戻ってくる辺りがもうね。修復中?の邸宅がとても素敵でした。それにしてもヒロインに関わる男達が黒白ハッキリと分かれていて。悪いやつばらには天罰が下りますように。

高評価レビュー

  • (5.0) 雨が降るたびに思い出すだろう
    romance2さん 投稿日:2019/4/1
    台詞が絶妙に選ばれていてモタモタがなく鮮やか。人の向き、カメラアイ?、巧みな角度。 男性を信じられなかったヒロイン、それだけ大変な目にあってきたのだから無理もない。 ハリスは違った。しかし、違うのだということを、ヒロインがしっかりと 認識するまで、それなりに時間を要した。 そしてヒロインは、ハリスへの想いがいつの間にか大きくなっていることに気づくとき、思うのだ。「雨が降るたびに思い出すだろう/締めつけられるような/胸の痛みとともに/あの雨の日の出会いを」 出会いが、ヒロインには特別な意味を持ってしまった。ヒロインが覚える雨の日に対するその感傷が、読んでいる私の胸も締めつけてくるようだった。 ハリスに出会う前の彼女は、とんでもなく幸せではなかった。彼がもたらしたものは、単なる平穏などというものではなく、本当にヒロインに豊かな毎日を与え、しまいには切なさと恋しさまでも共にプレゼントしてくれたようなものだ。 彼女を苦しめ続けた出来事はいつまでも追いかけてきたが、ハリスは彼女のひどい悪夢と現実も追い払った。一体彼女にとって、彼はどれだけ大きく強く頼れる存在であったことか。 ヒロインからはハリスの気持ちは見えなかった。これまで男の悪い面を見せつけられてばかりだったヒロインは、まだハリスの気持ちを伺うほど対男性観察眼が肥えてない。ハリスは紳士を貫いたのだ。 ハリスは本当に気高い男性だと思う。決して彼に気持ちが無かったからではないのだから。鋼鉄の意志の、持ち主だったのだから。 そんな二人の、危ういけれどさざ波のやまない関係を見せつけられ、それでもジェリコの壁は崩れなかったところへ、こうしたストーリーには登場しがちな妙齢の女。案の定ヒロインは居たたまれない。 ハリスの「会いたかったんだ」が物凄く響いた。そうでもしないと、なかなか用もなくそこへ来れなかった彼の胸中にやられた。 「きっと雨が降るたび思い出す/あの雨の日の出会いを/懐かしく・・・」 雨が完璧にドラマのキャストであった。 ベッドシーンはHQには必ずしも要らない。TLなどで読めるから。 心の機微を、一冊に織り込んで、幸薄かった女性がしっかり幸福をつかむこんな話が、読んでいて一番心に栄養補給出来てゆく。さりげにヒロイン母が幸せになっているところも、抜かりなく漏れなく、不幸だった女には幸福が行き渡っているようで嬉しい。 もっとみる▼
  • (5.0) 物語全体を静かな雨音が包んでいる
    suuyanさん 投稿日:2019/7/8
    日本でいうところの、毎時20ミリ位の雨がずっと降り続いているような錯覚をさせるような物語だ。もちろん実際に降っているわけでなく、マロンの心の中に降り続いている。マロンの身に起きた事も雨音に閉ざされて外界からは遮断された状態で叫び声は雨音に消 されているかのように外へ出せない。ずっとずっと降り続いている。こういう類の精神的圧力はなかなか解消されない。10年経ってもそれは普通でいう1日と何ら変わらないほどに厄介なもの。何かの拍子にフッと顔を出し追い詰められるのだ。何かで聞いたことがあるが、こういう精神的な障りから逃れるために「恋」をすることで解放されるという精神科の治療方法があるらしい。それを鑑みるにこの物語は、マロンにはハリスという絶好の相手と巡り会えたという奇跡にも近い幸せなロマンスを書いてあると言える。窓の外は晴れていても心の中はいつも雨。雨天に出会いがあり、その後にも雨天の日にはハリスを想って途方に暮れるマロンの回復と恋慕がとてつもなく哀愁をそそるのだ。 もっとみる▼
  • (5.0) 読後感が良い
    fragoさん 投稿日:2022/2/22
    【このレビューはネタバレを含みます】 お話でした。実父を失ってからのヒロインは本当につらくて苦しい人生を送ってきたので、男性恐怖症になるのも仕方ないと思います。雨の日に雇用主に襲われかけて、飛び出したところでヒーローに遭遇しましたが、その出逢いが彼女の運命を変えてくれました。ヒーローは、少し尊大な物言いをするけれど、彼女の境遇を理解して、押し付けがましくなくヒロインと接してくれるところに好感を持てました。 それにしてもヒロインの最初の義父親子は本当に最低最悪…ヒロイン母は再再婚で幸せになっているようで安心しました。ヒーローの義弟もクズで、ここまでクズが揃うHQも珍しいのだけど、ヒロインとヒーローにお互いに対する愛が芽生え、気持ちを育んでいく様子に、作画のくぼた先生の絵柄がぴったりで癒されました。 続きを読む▼
  • (5.0) ヒーローの優しさが降り積もる
    帽子屋アリスさん 投稿日:2019/7/15
    男性と二人きりになることに酷いトラウマを持っているヒロイン。初対面で助けてくれた上、雇って住み家まで与えてくれたヒーローにさえ、不躾と思ってしまうほどの警戒よう。彼女のトラウマのせいで何度も二人は衝突が起きるのだが、二人とも普段は落ち着いた 性格で通常の会話は淡々としている分一層、二人の置き場の無い怒りや悲しみ、傷ついた心を浮き彫りにさせる。 ぶつかりながらも、ヒーローは誠実な態度を続け、そんな彼女を癒していく。それはまるで降り続ける小雨のように、誠実さ、気遣い、優しさ、自制心、そしていつの間にか芽生えた愛情を彼女に与え続け、彼女の心を満たして、やがて彼女の恐怖心は恋心と変化させてゆくのである。 もっとみる▼
  • (5.0) 包み込むように愛してるの!!
    いしはらりさん 投稿日:2020/5/13
    とても良いです! 子供の頃から男性から辛い目にあってきたせいで、男性不信になっているヒロイン そんなヒロインを何度も何度も「大丈夫」「傷付けないよ」と、言葉に行動に載せて伝え、包み込むような愛情をヒロインに注ぐヒーロー 最初は、ヒロイ ンの事好きだからとかでは無く、妹いるから純粋に優しい人なのかと思うのですが、親切と同情でヒロインに接していたと思うのですが、 ヒロインの人となりをみて、好きになっていく。 ヒロインも、どうしても拭えない男性不信を受け止め、安心させてくれるヒーローを好きになっていく。 とても暖かい素敵なストーリーでした! もっとみる▼

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