キャラウェイ家の三男坊設定。小出しに、三部作中に紹介されてた彼の活躍が出てくるかと思ったら、実はヒロインに相当比重がかかる。ヒロインの彼に対する思いは判るが、彼のほうのヒロイン放ったらかしぶりの典型と、それが夫婦仲に差す影の強調で、ストーリ
ーは捜査活動の方はないがしろ。
それに、キャラウェイ家に次々と降りかかった事故はどうなったのか、省みられることもなくジ・エンド。犯人は明らかとなっても、事故の直接の真相追及はなかった。
ん?、前半の度々遭った危ない目には黒幕は?ロドリゲスが大物には見えづらい。でもヒロインのお兄さんのコーディとの対立もわかったようなわからないような・・・。
それに、官能色を出しているけれど、彼のヒロインへの愛情表現は、最後まで薄い。
それこそ、ヒロインではないが、男性は気持ちがなくても女を抱ける、という事を裏打ちしてしまいかねない、彼の本心の描写不足が引っかかる。
それでいながら急転直下で解決する時の、ヒロインの兄の拍子抜けするほどの役柄転向。
三男が主人公ということに徹してくれた方が、三男の動きの周りの人物がもっと判りやすくなったように思えてしまう。職業柄ベールに覆われている方が、格好いいかもだけども。。。
訳もわからず宙ぶらりんの家庭生活を続けて、やりたいことをやれる生活は続けさせてもらってはいるものの、待つばかりの格好で、何一つ夫の行状を知らされていないヒロイン。
ベッドシーンに言葉による肉感的表現が多く、仕方ないか、とは思うものの、ヒロインに肉肉した印象がないだけギャップもある。
放置期間とその辺の熱さにも、メリハリと言えばメリハリだが、そこをどう思うか、人によるだろう。会いたいときや側に居て欲しいときにいないけれど、会ったときは燃えてる、そこは、さびしさを埋め合わせているかどうか、どういう夫婦でありたいのか、人それぞれだと思うから。
何となく、三部作全体を通じて、読者を乗せきれてない、ページ数が少なくても豊富な内容量を描ける橋本先生の作品にしては、痒いところを沢山残す三部作だった。
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