あゆみ凛さんの、好きな人との後暗い関係を描く作風が個人的にはかなりハマっています。
今作は、姉に気持ちを寄せる彼の弱みにつけこんで、代わりにしてくれて構わない、と関係を持つお話でした。
身体が繋がっていても、愛されているわけではない、彼
が好きなのはあくまでお姉ちゃん…。
そんな切ない感情と、それでも好きっていう強い想い、そして不安定な関係に目が離せませんでした。
主人公の好きな緋色くんも、最初は本当に姉の愛花が好きで、弱ってるところに入り込んできた妹に甘える形で心の隙間を埋めていたのが分かります。
なので本物の愛花に接近されたとき、ずっと好きだった人と今気になる人(関係を持っている人)の間でかなり心が揺れたんだろうなというのも伝わってきました。
でもいつのまにか身体だけでなく、心の奥深くまで入り込んで、緋色くんにとって忘れられない存在となっていた舞花の粘り勝ちかな、という印象でハッピーエンドを迎えることができて良かったです。
1番印象的なシーンは、舞花が緋色くんに告げた
「緋色くんなんて、傷付いてボロボロになっちゃえばいいのに。そうしたら、緋色くんには私だけしかいなくなるのに…」というセリフ。
好きな人の幸せを願えないから私は選んでもらえないんだ、と舞花は心の中で思うのですが
それほどまでに緋色くんのことが好きでたまらなくて苦しいという舞花の心情がよく表れていて、涙が出てきました。
きっと緋色くんも、傷付いてほしいと思うほどに狂おしいくらい愛されていることに心を動かされたんじゃないかな、と思います。
舞花の苦しい片想いの気持ちは、他でもない緋色くんが誰よりも分かっている。だからこそ、舞花がどれほど自分を愛してくれているか嫌という程伝わったのだと思います。
何度も抱いて手放せなくなったのも正直、大きいと思います。彼の頑なな心を動かすには、身体から始まる関係もアリだな〜と思えました。
モテる緋色くんがそれまで女遊びしてなかったのは不思議だし、お姉ちゃんが未経験だったのも不思議だし、緋色くんフッたくせにしょうもない彼氏作ってたのもアホすぎて意味不明でした(笑)
その後のお姉ちゃんとの関係が気になります…。
人から貰った真剣なプレゼントを簡単に妹にあげていた辺り、とてもいい女だとは思えませんが…緋色くんは愛花のどこが好きだったんでしょう。
個人的には好きな話でした。
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