ヒーローヴィットーレは人助けの権化たるお人よしの塊みたいな男性ですが、ヒロインヴェリティも含めてその作画に少々問題があるように見えます。それは、苦悩や喜びの切り取り方が今一つで、慟哭や哄笑だけを書き記してその想いを伝えているところに残念さが
否めません。また、彼は 初対面のヴェリティに対して理知の光を見つけているのに、彼女を誘惑するときには ゲスの様な言葉を吐く様には チョイ悪を気取った中学生かと揶揄したくなりました。物語は、リオの養育を基盤にして、ヴェリティにも愛情が必要とヴィットーレに思わせることで まとめ上げようとしているように読めてしまってトキメキが感じられなくて残念で仕方ありませんし、残念なのはそれだけではなくて、ヒロインの物思いの中にヒロインを書き込んでいるので、私は、ヒロインをその視角から外せないから 彼女の身になって自分を作内に置くことが出来ず、感情移入できないことなのです(彼女の目が映しているものを見たい)。眺めているだけの物語となっている気持ちのまま読み終えてしまいました。それでも、ヒロイン姉リンダの引き起こした嵐に巻き込まれた登場人物たちは、何とかハピエンへとまとまっていました。
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