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昭和が薫る、主人公固定の短篇連作。5話+おまけ描き下ろし。気圧の単位がヘクトパスカルじゃなくてミリバールですよミリバール。昭和ですよ。立読みで見られる「水を入れた長靴で歩く」ことに心惹かれる人は買いだと思います。
小学生
のはなちゃんと、途中からはお友達のうたちゃんも出てきます。この二人の仲の良さがとても良かったです。
昭和、まだ大人達が忙しく、子供達に目が届ききらなかった時代の、子供達の冒険が躍動感溢れる筆致で描かれています。台風の一夜から始まったこの1冊、ノスタルジックにほのぼのかと思いきや、次の話はすごいトンデモ展開(謎の植物やらロボやらが出てくる)だし、近所のお姉さんに勇気を出して謝ったり、ダムの水に流されたり、ちょっとホラーだったり。現実と空想の間を行き来する感じで、それはそのまま「子供の世界のかたち」なのかもしれません。
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