人外BL。
いつも何となく手が伸びないカテゴリーでこちらも評価が良いのは知っていたのですが購入に至らずにいました。
同作家様の『俺の〜』の絵や作品の雰囲気がとても好きになり『野干〜』と共に購入。
食わず嫌いならぬ読まず嫌いをしていた私
!バカっ!!
何周読んだのかしら。昨晩から何周?
そのたびに鼻の奥がツンとしぐっと涙がこぼれるのを我慢したことか。
だってほら、夜中に泣いちゃうと朝、妖怪みたいになっちゃうし。
そして、一通りの家事を済ませ、日曜の午前中に部屋にこもり思う存分泣きましたよ。
今、頭痛いです(笑)
村八分として生きてきた佐吉が拾った鬼の子アカ。
一人の時間を永遠と生きてきた佐吉にとって、鬼の子と言え腕の中に抱える小さな温もりは、さぞかし温かくて愛おしかったんじゃないだろうか。言葉は通じなくてもひたすらに話しかけ笑いかけ大切に育んでいたんだろうと思えます。
アカが佐吉の顔をじっと見つめ腕を伸ばす、その仕草が二人の間の絆を想像させます。
アカは言葉は話せなくても人の心も鬼の心も両方持っていたのではないかしら。
幼いころの蝶の儚い命、傷つけてしまった佐吉の腕、佐吉の涙、純粋に目の前にいる佐吉と共にいること。だから、佐吉と離れてしまってからも佐吉を待ち、佐吉を受け入れたのかしら。
愚かな人間は恋に溺れ破滅を引き入れてしまう。本当になんて愚かなんだろう。悔しいけど私も人間だから佐吉の情も後悔も痛いほど伝わってきました。
けれども、鬼のアカは恨むことも恐れることもなくただそばに居ることを選ぶんですね。それすらも人には伝わらない。本当に人は愚かだ。
エンディング。
救われて、光の中で読み終えられたことがほんと素敵でした。
でも、ろうそくが消えるようなバッドエンディングもちょっと想像してしまう。
本当に素敵な作品を先生ありがとうございます。
作品を作り上げることがとても大変だという事を先生のTwitterを読んでいると伝わってきました。
何年たっても次回作待っています。
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