一読してすぐのレビューなので再読するとまた違う感想を持ちそうですが。ひとりの男の人生の途中に交差した女達の語りで彼の生きざまの点と線を結ぶ物語。もんでんあきこさんの肉感的な絵が生々しくTLの時より迫力がありノワール小説の空気感を見事に表現さ
れています。博人にとって人生とはどんなものだったのか。足の下にあるものは全て踏みつけていけと言う彼は踏みつけられ踏みつけて生きてきたということ。時に踏みつけられている女達を救いもする。借りを返す。踏みつけにされた借りを返す。温もりをもらった借りを返す。この街で借りを返す。最期に人生の採算は合ったのだろうか。余分な指を捨て去ったように余りがあるからちょうどいい、そんな最期だった気がします。
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