なかなか面白かったです。妄想系は一か八かの賭けみたいなところがあります。当たればラッキーです。外れたら困惑しかありません(笑)妄想と現実がわちゃわちゃわちして、ワケわからん事になるともう大変。これは、どちらかと言えば当たりだと思います。好み
ですけど…
友達の大谷に、密かに恋心を抱いている豊本。長く拗らせてしまった片思い。好きな気持ちが膨らんで、大きくなるにつれ妄想も膨らんで…
確かに妄想しているんですけど、エロエロ全開なところまでとは言えず、妄想プラス豊本の心の声が語られている感じです。それは誰にでもある、普通の恋(片思い)と同じだと思うんです。好きな人とあぁしたい、こうしたいって、みんな経験している事なのかなと…心の中であれこれ悩む事と同じかな、と言う気がします。好きが溢れて、もて余す感情を妄想で補う。だけど邪な感情に罪悪感に苛まれる。妄想を楽しんだり、悔やんでみたり……相手が同性と言う事だけで、豊本は等身大の恋をしてるんだと思います。だから、感情移入しやすい。うん、うんわかる、わかる。豊本の心の声が、正直でまっすぐで切ない。片思いから身を引こうとするのも切ない。
一方の大谷は、恋自体がよくわからないと言う感じですが、彼女は欲しいようで…そして恋が近づく予感。だけど、手放しに喜ぶでもなく?
ギクシャクとしてしまった豊本と大谷。こんなはずじゃなかったのに。絡まってもつれた赤い糸。ほぐしてほどけた糸の先にあるものは?誰につながる?って、つながるよね二人に(笑)心理描写が丁寧で、なかなか良いお話でした。短編2つ入ってますが
、要らないかな。もうちょい妄想か感情の揺れを入れて一冊でまとめて欲しかったですね。感情が入り組んだ割には、くっつくのがあっさり目でした。
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