既に完了したノベルのコミカライズ。現代ニッポンから異世界に飛ばされてきた「社畜」誠一郎が、異世界でも「仕事と効率最優先
」の社畜魂で国政に絡み結果を出していきます。一方で誠一郎の命を救った騎士団長のアレシュは「誠一郎は今後も俺が守らねば」と
謎の庇護本能を発動させ、いつしかそれは恋心に。しかし誠一郎にとっては、アレシュの過剰なお世話は文字通り大きなお世話。この2人の珍妙でちぐはぐな攻防が笑えます。コミック現在既刊4巻まででは、誠一郎が次第にアレシュの気持ちに歩み寄りロマンチックなシーンもあるのですが、そこでも「効率」が幅をきかせており、2人の恋はまだこれからが本番かな。ノベルではかなり深く語られていた異世界独自の政治問題も、コミックではうまく簡略に説明されていたり、魅力的な多数の脇役陣も躍動感溢れる活躍をしていたりと、作画だとこうなるのかという視覚の楽しみがありました。特に、アレシュから恋の悩みを相談された従兄弟の「KOIBANA」のシーンは、ノベルでも笑ったけれど、作画家様のセンス溢れる漫画ならではのショットに大爆笑。今後、このシーンあのシーンがどう描かれるのかがとても楽しみです。とは言え、ノベルを読んだか否かはコミックを読む上で何ら支障はありません。異世界の世界観も登場人物もしっかり書き込まれた高評価のノベルを、実力ある作画家様が描いた作品それ自体を純粋に楽しめる作品です。
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