凄腕暗殺者が次のターゲットであるマフィアのボスに惚れられ絆されていくお話。
裏社会モノなので所々ダークな要素はありますが、思っていたよりも明るい感じでお話が構成されています。というのも、アレックスとカナタのやり取りが表向きは学生とその留学
生に惚れ込む外国人という演技めいたものだから。お互いに裏の顔をあまり相手に見せないこともあって、緊迫感はありつつもいい意味でダークさはあまり感じませんでした。もちろん、穏健なマフィアのボスこそ、怒らせたら怖いよというお約束な展開も面白かったです。
カナタの暗殺者になった経緯を知ると、本当はありのままの自分を受け入れてくれる場所が欲しかった、とても寂しかったんだろうなと感じ切なくなりました。そういう人間的な思いを諦めなければ暗殺者なんて出来ないとも受け取れました。アレックスがそんなカナタの凍りついた心を溶かしてくれて良かったと思います。
とはいえ、最後までアレックスの思い通りにいかないのがカナタのいいところ。カナタは帰る場所が決まったからこその自由奔放ぶりなんだろうし、自分の腕の中に大人しく収まってくれないからこそアレックスは夢中になるんだろうなと思うと二人はいい関係だなと思います。
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