再会もの。今も愛している。そういうのは大好きなのだが、なんとなくスーっと物語が語られて、淡々と進行し、当然のように話は結末へ。
離れていた年数を思えば、これ以上の試練を二人に与えてどうする、といったところなのだろうが、それならば、思春期の
難しい年頃のトニーをもう少しいじれなかったか、キューピッド役は想定通りとしても。
長男の重責、企業人としての厳しい日々、深入りしようもない描写でそこは仕方が無いが、その人物を中心におくからには、邸宅の凄い風呂シーンだけが全体の中で浮いているので、無いほうが私は受け入れやすかったと思う。
その他の日常生活シーンは普通の牧場生活で他の牧場ものと変わらない。ヒロインとの生活レベルの落差も材料にしないとすれば、彼自身の前に突然現れた15年前の恋人と息子が彼にもたらしたものを、より感じたかったというか。彼の中のドラマは、もう少し見せて欲しかった気がする。
ところどころ、人物絵が微妙に簡略な線になっているが、外野の素人の想像した限りでは、コミカライズの企画から、締め切りまで、絶対的な時間不足の中で仕事を強いられたのか、と、思うほど、橋本先生らしからぬ印象。コマの使い方も制作時間を節約してるように感じてしまった。
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