脳の違う部位を刺激されるようなBL。
生活とか感覚とか人間関係とかからの、切り取ってくるものが微妙に他と毛色が異なる存在感。リアルさとフィクションの配合が現実寄りなバランスにあって、生々しさは、でも、前面に無くて。個々のストーリーの結末の
幕の切れ方にもそこに多様性というか可能性というか。ドラマというのは本来、一様ではないな、ということを何故だか実感。人の数だけ人生あるんだと、一人一人の毎日のどこにでもストーリーがあって、その中にそれぞれ当事者の感情があることを、確かめさせられた感じ。ある意味特異でニッチなのに、どこかの誰かの個人的体験に留まらず、他の誰かへと繋がり思いやれてしまう。
様々な個別の状況に付き合うこちらは、画像化して時間を繋いだ結果として、他人事からなんとなく身近なとこにストーリー自ら拡がって来た形で短編が集まった、そんな作品群から、まんだ先生の作家性を公約数的に感じ取ることになる。
けろっと描かれておらず、酸いも苦いも想像力で引き寄せてあれこれ意外に豊かな印象を残していってくれる。
扇情的でないが、何かを啓発してくるような感じがした。
アップされたコンテンツ名として、電子書籍の中の方の一番最初に見る表示書名にも、表紙見せる画像中にも、レビュー用書名にも「1」が付されていないのだが、購入書籍名として開く際に「1」がある。LOVE SONG1となっている。続編の予定が組まれたのだろうか。それとも間違い?(サポートセンター確認。出版社の意向あって「1」付き、但し現在のところ続編の配信予定無し、との事。7/27回答。)
「1」付きが正しいとなると、表題と一致する作品名である収録作品と、その他作品との一体感は減ってしまう。全体としてlove song イメージに繋がるには繋がるが、となると、表題作の中に登場するジュリーの歌とのリンケージ感以外の意味に絞れなくなる。一つの作品名と切り離し、集合体としてlove songsとしないと合わなくなるのではないだろうか。
潔く別タイトルのほうがいい気もするのだが。
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