相手に抱く親近感。頭から姉のことを忘れ去ることはできないのに惹かれていく。
異国の地で高まる感情。二人での行動を楽しんでいる自分。互いに意識しあってしまう姿を他人から当人以上(?)に察知され、気を遣われてしまう。
クライマックス
で、このストーリーもHQそのものだったと強く実感した。
旅先描写が相当バラエティに富み、コマ数を取っている。写真的な絵柄で、人物コマとは全く別個に提示されている。
旅情のなかに、そこでは相手との二人の世界として一つの小さな閉じた空間であることも表されて、なかなかそういう空気を表しにくいのに割と伝わる。欲を言えばこの手の話、旅行中の一種の高揚感であることも多いため、帰国後相当期間中旅愁と共に浸っていることはあっても、その後も恋愛感情が継続して、一時的なものでは収まらなかった、という方が、私は好きだ。
絵柄を見るにつけ、確か昔この作風に連なる先生がいらしたなぁと懐かしい思いがした。
レビュータイトルは、彼のヒロインへ抱いた印象から取ったが、私自身の作中の登場人物たちへの、印象でもある。
ベッドシーンの描き方に、HQコミックスに踏み込んでほしくない描写があったので星は3.5のつもりで。
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