『孕むアルファ擬態するするオメガ』のスピンオフです。どちらも意味深なタイトル(オメガバース好きなので)と魅力的な絵に惹かれました。偶々出会った作品でしたけど、小説では水壬先生の作品を読んでいるので縁があるなぁと嬉しいです。出版順でいくとこち
らが後になりますが、時系列としては先になるので、どちらから読んでも楽しめる(私のようなうっかり者にも優しい)構成になっています。内容的には、こちらの方が主カプ(攻め)の年齢が上であるのと主従関係みたいなものがあるので、重いしドロドロしているかなと思います。直接的にではないにせよ人の生き死にも出てきますし。なんとなく一昔以前の封建的な家制度の闇を感じさせるストーリーでした。やはり小説家の先生が構成を担当していらっしゃる作品は、伏線の張り方や展開の仕方が凝っているので面白いです。文字に複雑な心理描写や独白に漫画家先生の絵が加わることで、素晴らしいハーモニーを奏でながら心に響いてきます。本筋とはあまり関係ない気もしますが、兄が最後に見せた男気を買ってあげたいと思いました。サラッと書かれていますけど、あそこがターニングポイントだったと言えるんじゃないかな。あとがきで作家さん同士がコラボする場合の作業の進め方みたいなのが何となく分かって面白かったです。
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