主体的に生きているヒロイン。自活して動き回っている人間だ。
彼を自分から誘う大胆さ。
けれど、本来そういうタイプの人間ではなく、世間ズレしていない。
ただ、設定は、目立つ美貌の持ち主でないため、この出会いは、相続した遺産を巡る人間
模様が取り結んだ。
作劇上、冒頭、彼の登場がそれとなく腹に一物風な振舞いを見せるのであるが、ヒロインに手の内がすぐばれているところからの展開が彼の誠意を伝えて、ストーリーを楽しめた。
「捨て身の誘惑」かぁ、ヒロインカッコいいな、と感じた。
ヒロインおばの遺産と、彼の引き継いだ伯爵家のこと、それから最速レーサーとして築いたもの、ごちゃごちゃ出てくるのでメインキャラの当初のこだわりがよくわからなくなった。
先代伯爵の前夫人にそもそも権利はないし、意地のせいとしても息子を使った間接介入は、物語の展開には中途半端な気がした。
75頁目の誤植は気になる。
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