ストーリー展開がモタモタしていないので、時間や空間のスケールが2018年のこの時代の漫画とはまるで違う。コマの使い方も全く異なる。
しかし、70年代当時、画期的で斬新でカッコ良かったのが今でも感じ取れる。
今や当たり前のバイオメトリック
を、1975年発行(つまり1974年以前が初出の可能性)の本作で普通に採り入れている一条先生の感覚!
以前から読みたいと思っていたので、デジタル化を知り飛びついた。名作群「砂の城」、「デザイナー」辺りは70年代中に読んでいたのに、これは読み逃していた。やっと巡り会えた。という感じだ。
他にも沢山描かれているが、リボンっ子ではなかったので、まだなかなか。
折を見て、いずれ手にしたい。
今のコミックとテンポがまるで違うため、当時も既に素晴らしい技量を漫画好きな仲間と崇拝していたが、あの頃抜きん出ていた鮮やかな展開力を今目の辺りにして、このスピード感を今私が読んでる作家さん達の中からも出してみて欲しくなる。
特に、劇中の時間進行より刊行スピードが何倍も膨れている物が増えている今!
私はその時その時に楽しむ絵柄に、古いも新しいもない。もちろん、それを感じることは当然にあるが、だからといって古いから駄目ということは一切ない。いろいろな作品が、発表した各時代にあって、流れもあるし、多様性もある。ある画風が好まれるからといって、亜流がいくつもあっても飽きるだけ。
発想の豊かな漫画は、個性の強い先生方が大勢居てこそ出現した。
これからも楽しい作品を出して欲しいが、お眼のこと、巷間で言われている通りならばお大事になさって欲しいので製作を希望してはいけないのかもしれない。お大事になさってください。
ここから追記。2巻目を読んで。
テンションをキープして読み通すのが途中辛くなり、中断してから読み進めた。
色々な中身のギュッと入り込んだ話なのだが、流石にこの中に記憶喪失二つはしつこい。
弥生美術館原画展(12月24日会期終了迄)に馳せ参じるつもりです。
山岸先生のときも行ったのですが、原画を見る貴重な機会と思っています。
連載時点ではカラー頁のものも、コミックス化でカラーではなくなります。単行本は無理矢理白黒印刷されるので、却ってオリジナルの鮮やかさが塗り潰され濃厚な黒っぽい頁に。
本来の姿=原画、を観賞する機会を大事にします。
デビュー50周年おめでとうございます。
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