そうだろうなあ、私も子供の頃に両親がそうやって亡くなってしまったら、そう思うことだろう。辛くて苦すぎる強烈な悔い。人はあのときあんなことをしなければ、とか、ああしておけばこうはならなかったんじゃないか、とか、肉親に関してはどうしても後悔が立
つ。
アンジーはたくましい。有能で自信に溢れている。無医村の話は日本でもお話の材料にされやすいが、イタリアの古い社会の価値観を絡めてくるとは、しかも新進気鋭のピチピチ独身が保守層に早期に抵抗されずに受け入れられるとは、なかなか「新しい」HQだった。
運命のにじり寄りで詰め腹切らされるだけの如くの弱い動機で来た彼に、ど迫力の拒絶シーンが見応えあるだなんて、そこも意外性に富んでて良い。普通、そこは、なんだかんだ彼ひどかったけど愛してるからいいわ、なんていう惚れた弱味見せつけられていたようなシーンだ。気持ちよく斥けちゃってくれてスッキリ。
こういう女性には、同じ気質の人間ではなく、彼のようなタイプはよく合うのではないかと思う。それでも互いに、今後もぶつかるときはこの構図にのようになるだろうとの気もするが。
別作家で三部作、企画受諾後の裏話があとがきにあるが、読む前からうっすら感じ取っていた。尾形先生は細やかな背景等の描写に感服してたが、三浦先生には尾形先生の造形がキチンと踏襲されたところに、分断感を覚えさせたくない細やかさを感じていた。
彼とヒロインのキャラを際立たせて、ヒロインが最後まで颯爽とカッコいい。
彼も、アンジーと出会えて良かったね、乗り越えられたかな、と感じる。
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