不遇な子供時代を送り、愛する男性とではないけれど安定した日々が過ごせていたヒロインエリンだが、悉く不幸は舞い降りる。夫の死、そして夫の弟ヒーローザヒールが 可愛いカジムを連れ去ろうと現れた。しかし、ザヒールの態度から 彼の心情を読み取ろうに
も 解せない点が目に付く。元婚約者マリアンとエリンを比べて兄弟で女性の好みは似ていると言っているのだが、それ以降 彼がマリアンを愛していたなどの記述は皆無だ。また、エンディングでのプロポーズシーンにも「愛」など今まで知らなかったというセリフがあるが???マリアンを愛していたのでは?中盤には、兄に婚約者を取られた心の傷がー、というくだりがあったのに あれ?と思った。独りぼっちの寂しさに耐えられず、心の隙間を埋めるようにカジムに執着するエリンが 読み進めるほどに こちらには苦しい。シークものだから、ザヒールの傲慢はお約束だが エリンの無償の愛は読み取れて良いものだった。
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