物語の前半部分が、あまりにもヒロインリヴのうつむき姿勢ばかりで、シングルマザーの疲れが色濃くて私の知らない辛さが滲み出ていて言葉に詰まる。諦めていた女性としての幸せを望んでもいいのかという自問自答と元夫に罵倒された心の傷が、尚も辛さをこちら
に伝えてきて憤る。何を見ても聞いても自分を阻害して考える負の連鎖が彼女の思考を捉えて離さない。それでも、仕事での誠実さ、ひたむきさ、優秀さ、子供への愛情をヒーローステファノが見てくれていた。恋してくれた。愛してくれた。その喜びが最大値でこちらに伝わった。けれど、それでも最大の幸福の前に足がすくむ彼女の自己防御姿勢に溜息が出るが、もっとわかりやすくステファノが伝えてくれていれば悩まずに済んだはずとステファノのプライドとやらを突きたくなるが、ホッとした。
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