普段ヤンキーものは読まないし、かなり辛い部分があるらしい……ということで躊躇っていたんですが、買って良かったです。この作品に出会えて良かった!
喧嘩シーンとか、痛々しい過去とか、個人的な苦手要素はあったけど、不思議とすんなり受け止められま
した。入江も吉宗も、病んでいる部分はあるけれど、病みすぎていない。強がりすぎない。年相応の可愛げがちゃんとあるのが良かったです。
吉宗の過去を描いたエピソードは、確かにしんどい。普通の家庭で育った、ちょっとヤンチャな程度の子が、一歩踏み外したところから転がり落ちて行くのが生々しくて怖いです。どうしようもないクズ人間も出てきて、正視しがたい場面もあります。でも一方では、遠巻きにだけど気にかけてくれる人達もいる。意外な人が、復活のきっかけをくれたりもする。この人の言葉は、一言一言が深かったです。
そして、このエピソードのタイトルは、「目覚めの日」なんですよ。この意味は、最初と最後のページでわかります。辛い過去はあるけど……今があって、未来もある。このバランス感が、私にはとても心地よかったです。
吉宗と源路の関係はまだまだこれからというところでこの巻は終わってしまいますが……この二人が気に入ったら、続編も是非! 源路がとにかく可愛い。誠実で、意外とヨコシマで、吉宗が好きで好きでしかたない源が可愛いです。源の頑張りと、解かれていく吉宗の心を、どうか見届けてやってください。
あっ、シリアス部分のことばかり書いたけど、コメディ部分も大好きです。三平推し!
もっとみる▼