気に入っている人のことを、他人はとやかく言うものだ。親しい友人でも、「貴女の趣味がわからない」だの、「どこがいいの」だの、「あんなのxxなだけじゃない?」だの、称賛者より言う言う。人の好みという次元以上に、結局自分は自分であって、他人の目や
評価に、客観性など余り期待すべきではないと思う。かくいう私は、レビュー件数も星数も、コメント内容も重視していて、何を言うか、なのだけれど(何度もシーモアさんには、5.0未満の絞り降順検索の開発も要望)。
このHQという世界は、愛の存在を強く主張する一方で、疑心を経験する二人も大きなジャンル。
出会って人生を共に歩もうかというほど気に入れば、信頼関係の構築は重要。しかし、信頼の置ける人からの情報を疑うことは少ないだろう。
とても親しくしている友人でも、たとえ真に心配してくれての警告でも、その気持ちの背後に、突然夢中になっている友人の「目を覚ます」、或いは、連れてきたお相手が「好きになれない」事情があるとき、不信の種まきがされる。
バブルの頃、東京駅など、いかにもお金が取り結んだと見られる歪なカップルが大勢旅行していた。世の中、結婚相手の財力を気にしない人はどちらかというと少数派。お金じゃない、それは正論だが、相手の資産は考えないなんて、相手に反対に借金があって同じかどうか(一緒に返済もアリだが)。だから、HQは美しいのじゃないかと思っている。それでも、ではなぜ、HQには大富豪やCEO、王侯貴族セレブばかりなのか、誰も説明できなくなる。
お金持ちはお金にうるさい一面もあり、だからこその蓄財感覚、資産管理意識は凡人には理解に及ばぬところがある。
信じる、というシンプルで、それ故重要な事を、一旦生まれた疑惑と相手に対する大いなる失望とで地に落ちた所から、改めて積み上げる話。
相手に財産があるという事実がきっかけで知り合ったヒロインには、愛情満ち満ちた今からは葬り去りたい過去であり、恥ずかしくなる考え方だった。
頁数の制約からか、またはシリーズへの引き継ぎの必要からか、更なる試練は二人に与えられなかったが、壊れかけた二人がこの膿を吐き出して、彼女的にも結果スッキリしたことだろう。
ベッドシーンが多いのは原作がそればかりだから?
1冊のこの頁数では、他の描写に皺寄せが来る。
制作当時の編集側の要望か知らないが、全体のクオリティが下がった。
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