清水玲子先生は、「秘密」など長編を描かれて今も第一線で活躍されていますが、先生の真骨頂はSF短編だと思っています。中でも表題作のSF短編、「22××」は、人間が生きることは食べることだということ、そして究極に自分の存在をかけて愛するというこ
とはどういうことかを、当時中学生の私に叩き込んでくれました。
あれから数十年経ち、それこそ何万冊という単位で漫画読んできましたが、この作品は今でも全く色褪せず、これ以上の愛のかたちを私は知りません。
よく、愛しているひととひとつになりたい、という言い方をしますよね。表題作は、SFフィクションだからこそ可能な表現で、ほんとうにひとつになるとはどういうことかをテーマにしてます。試し読みで作品の雰囲気は分かりますので、嫌でなければぜひ読んでみてください。
ちなみに、主人公のジャックというロボットは、エレナシリーズで「天使たちの進化論」や「竜の眠る星」に出てきます。でも、ほぼ別人(別ロボット?)なので、この作品だけ読んでも全く問題ないです。
もっとみる▼