多くを説明しません。絵も昨今のデジタルの綺麗なものとは違って、デッサンのような粗っぽさを残した雰囲気のあるものです。状況も感情も、きっとわからない人にはわからないのではないかなと思います。ミカが草次の気持ちをよく理解できないように。
ミカ
と草次、ふたりの抱える問題は、愛を信じていないこと。育った環境、家族との関係がその原因なのですが、たぶん、ふたりは、もうはじめから出会った時からお互いのことを大好きで大切で、だからこそ「消えていく」と信じているもので繋がることができなかった、のじゃないかなと思います。
だけど、ふたりが側に居続けてお互いを必要として、日々を重ねて過ごしてきた年数が、事実が、逆にふたりを繋げるものの存在を浮き彫りにしていきます。
手放したくないから愛さない。
愛しているから手を離す。
個人的に、草次の恋愛に対する価値観や考え方がすごくすごく共感できて、気持ちを表現してもらった満足感と気持ちよさと得られて、久しぶりにこんな漫画に出会えてよかったと感動しています。
「なにが台無しになったっていうんだ」染み入るような言葉に、主に草次の気持ちに、何度も胸がいっぱいになりました。
題名からドキドキしていたけど、ハッピーエンドです。何度も読み返すと思います。そしてまた、色んな感じ方をするのだと思います。
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