202ページ。
同人誌発表がメインの7篇入り短編集。
・『夜盗姫』楽団の舞人の少年、心の内の陰とそれを払う心の内からの光。
・『雪花』雪に閉ざされた村と、そこを基地にしようとする軍、そして軍事利用されている不思議な力を持つ少女。
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『人形の夢と目覚め』病弱なお嬢様と、なぐさめに訪れる人形使い、そして留守がちな父親。ファンタジックな空想の楽しさがありました。
・『化け猫マント帽子の国』小学生男子が勇気を出す話。帽子の国のようすなどは楽しい。
・『ひかり』5ページショート。ヨーロッパ風、山の中の男子校と女子校のささやかな交流の様子。鏡で送るモールス信号にはロマンがあり、男子達のわちゃわちゃっとした無造作な会話が抜群に良い。同著者『Cl』(シーエル)と同系統の画面と話。
・『手紙吹雪』12ページ。男子校での恋心。誰も悪くないけど切ない。
・『GAME OVER』OLと高校生、年の差カップル。ちょっと人目を忍んでの、毎朝の電車でのやりとり。あらー甘いわ〜、という風情。同じ電車に乗り合わせた皆様の照れた一コマが良かったです。この読切から連載に発展したようで、同タイトルの単行本があります。
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『ひかり』のような、ただ観察したことを描いたようなタイプのお話はものすごく好み。
起承転結のあるタイプは、意図的な明るさや話運びに作為が見えてしまう印象です。色々と自分の苦手タイプなポイントがありました。捻くれ者なので。軍の描き方が単純悪だったのが、最も苦手ポイントでした。
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