ヒーローギャノンの審美眼は彼女を見つけていた。けれど、それは、自分だけが知っていれば良かった。それで満足していたのに、彼に出会って変わっていくヒロインブレーに、平静を保てなくなっていったのには コミカルな描き方をされていて 笑いを伴ってトキ
メキがくる。速いテンポの展開には、この後に来る事象を予測するに容易いが、ブレーにとっては早すぎる発展が その波に乗せられている受け身が 危機感を募らせる。表題に「嘘」とあるが、これは唯の間の悪さ であってギャノンの意図するところとはまるで違っていて安堵するが、彼女にとっては、経験値の低さと 今までの父親の態度からそれが見えない。しかし、ブレー父は、娘の残念な容姿に何とかしようとしているのに、プロの手を借りようとしていない事には、些かその身に相応しくない状況が見て取れて この物語の行く先が明け透けで気落ちする。しかし、娘の内面的には、性格も才能も認めているところは愛情を感じて羨ましく思う。男親には分からないジレンマを100万ドルに乗せて 何とか丸く収めようとするところが 父親の父親たるものを垣間見せてまた面白い。悪役の配置も 本来根っからの悪人などはいないという作りで それは、 何らかの目的の為の仕事であって、出会った人たちにはその元来の性格で付き合いが生じ去っていく その儚さもまたブレーにとっては 経験の1つとしている背景で物語としては安堵するが、まるで、現代の青少年たちの鬱憤を晴らすその場所に待ち受けている悪行への入り口として 良い顔をして取り込もうとする 先輩や大人たちのその社会の構図のようで怖い。信じるべきは何か この答えを正しく持つことが 幸せをその手に掴む最難関な大事である。白馬の王子にも予想外は有ったのだ。
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