難しい言葉や長台詞が無くしっかり入って来るストーリー。手際よく、無駄無く、感覚的にストレートに判る言葉と絵が選ばれている。肉厚でひとまとまりの序章でしっかり組み立てられたものが、それから後の各章各部に少しずつ姿を表す。明らかになっていく。バ
ーンズワースの人名繋がりから、じわじわ判明したことが広がり出す。巧みな展開の中、研ぎ澄まされた言葉と絵が朧気な輪郭を一歩ずつスッキリさせていく心地よい予感で、読み始めると中断が苦痛。しかも、同時に、物語は前へ前へと、もたつかず、彼女のゲームの攻略方法に付き合う状態。面白いから一気読みしたいのだが、一度に今読めない。まだ2巻目を読み終えた直後だがレビューを一旦記しておく。
カラー頁では、選ばれた色が発色の関係?からか、素敵な組み合わせで実に目を楽しませて、かつ、この2巻目で、樹先生の漫画制作の舞台裏まで見せてくれた。意外にも、「産みの苦しみ 」を感じさせず、楽しんで開花した才能に、思えた。
ただ、カタカナのルビは漢字の読み仮名と異なり類推が効かないので、スマホで読む電子書籍では小さ過ぎる片仮名ルビに困っている。また、大勢の作家がよく吹き出しの外に書き込みするが、判読し辛いことがある。樹先生も、字体に癖はないものの読み辛くて閉口。ただ、それは些細なこと。以下4巻目で追記。シナリオは一気に作っているとあり、豊かな発想力に脱帽。
結局本日全巻完読に至り、評価続き。
お見事、としか言いようがない。それほど、長期連載の綻び見せない読み物だった。
巻末にターゲット読者層の好まない政治分野を描く工夫への言及があったが、コテコテの少女漫画好きの私はラブ要素重要な反面、政治や陰謀等の彩りも大歓迎。
よく読むハーレクインで巨大財閥総帥には既視感ありながら、ユージン、カール、立人、または花鹿の家の豪邸が、各々下敷きにした物を上手く溶け込ませて、それぞれ風格が表現されていて良かった。
絵がさらさらしていて清潔感があり見やすい。
付録的な巻末では誤字複数個。本編でも言葉の誤用。(「いぢめる」の、「ぢ」というような意図的なものとは明らかに違うミス)
よくある主人公の周囲皆が主人公を好きになるという逆ハーレムあるも、その過程を描けていた。唐突感を持たせないとは流石。
由依ちゃんの噛ませ方がおざなりだったように思う。(存在はそれでいい。絡んでこないことに半端感)
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