獣魔王への貢物になるために育てられた少年フェイ。ただの大人しくて健気なだけの子じゃありません。どうにかして生き延びたいと努力して機転を利かす子。でも、小ずるいのではなく、素直で優しく、思いやりの気持ちも持っていて、孤独だった獣魔王がフェイに
惹かれていくのもよくわかります。
獣魔王とフェイ、両者ともに秘密を抱えています。愛ゆえに獣魔王がフェイにだけ秘密を告げる一方、同じく愛ゆえに獣魔王にも秘密を告げることができないフェイとの擦れ違いが切ないです。そして、その隠し続けた秘密を、窮地に陥った獣魔王を助けるために暴露するフェイの機転と思いの強さにまた泣けて…。
次から次とどんでん返しが起きるストーリー。ネタバレしたくないので何も書けませんが、先が気になって読み始めたら一気読みでした。最後はしっかりとハッピーエンドです。素敵なおとぎ話でした。
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