敷居が高いかな、と思いながら読み始めたが、予備知識がない私にもすんなり理解できる内容だった。日本史上に現れるさまざまな海上勢力について一通り触れられている。もっと突っ込んだものを読みたい方は、巻末の文献一覧も参考になると思う。日本史上の「海
賊」が、単なる「賊」ではないが、なんとなく捉えどころが無いようにおもうのは、様々な顔を持ち、その活動範囲が陸上とは比べものにならない広範にわたるからかもしれない。本書のようにその活動を概観できる本はありがたい。熊野海賊が鹿児島へ攻め入ったり、伊勢の勢力が武田氏に雇われて駿河湾・江戸湾で活躍したり、遣明船の警固などは今の東シナ海にまで及んだのだろうか。興味がそそられる。
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