最後みんなが幸せになってハッピーエンド!というお話ではないけれど、人智を超えた存在ゆえの選択であり結末で、それは文章に説得力があるからこそ成し得たもの。凡人的には後味の悪さを感じる部分もあるけど、それも含めて納得してしまう良作。エセルの聡明
な無垢さに救われる。個人的に閨房シーンは最後だけでいい派で、取ってつけたようなエロ描写には嫌悪感を感じるのですが、この物語には必要なシーンであり描写なのだと合点がいく。この作者さんの描く世界は、97%は滑らかで完全な球体と思わせる心地良さなんだけど、残りの3%に異物を仕込んで「なんじゃこりゃ」と思わせながらも破綻させずに独自の世界を創り上げる。そこが、ありきたりな異世界モノジャンルで独自性を築き上げているんだなぁと思う。
もっとみる▼