土地神様に嫁いで自らの花を咲かせたい花の精と、花の精を嫁にもらって癒しと気をもらいたい神様と…。まずその設定から惹かれました。情景描写が美しく、花咲き乱れ、美しい花の妖精たちがくすくす笑いながら遊んでいる花園や、北の地に根を張り、健気に咲き
誇る桃の花など、情景が浮かび上がるようでした。好きな作家さんです。
花の精としては珍しく男型で優れた容姿を持たないモモを、唯一娶ってくれた北の御方は何故か最初からモモを溺愛。初めて与えられる惜しまない愛情に、モモが少しずつ自信を持ち、背筋を伸ばし、美しくなっていく様にキタと一緒にきゅん、としたりぎゅんっ、となったりおお忙しでした。
途中は少し切なく、不安を掻き立たされ、やがて訪れるハッピーエンド。情緒も忙しい。
溺愛に絆され、愛を返し、絆を結ぶ夫婦の物語。疲れた時に読みたい一冊です。
もっとみる▼