超イケ竜人竜胆の、狼族伽羅に対する終始深い溺愛ぶりを感じて最高です。伽羅の新人兵士としての強さ、初々しさや狼族としての一途さ、賢さがASH先生のイラストに良く表れていると思います。
この可愛い伽羅が耳と尻尾だけが出てしまうシーンの時と場
所が…おぉぉっトキメキます。
web小説版から後半大幅加筆がありましたが、この月上での生活描写(キラキラして贅沢で発展していて)があるからこそ竜胆の地上の緑への憧憬や伽羅の故郷への思いがより理解できると思います。
月と地上との対立は、先生の他作品「迷宮の魔法技師」のようなSFファンタジーでの地上者と天上の上位存在を感じさせる、不思議で濃厚な世界観でワクワクして凄く面白いです。
また文章が整然として読みやすく、台詞選び一つ一つが秀逸で、その一つで人物像がはっきりと浮かぶようなリアリティがあります。表現がウェットではなく、翻訳文学やM/M文庫のような淡々と事象が描写されるが心情的に豊かで、先へ先へと気持ちが強く引っ張られる力があると思います。
本作の登場人物が別伝的に出てくるweb小説に「月と地上の種族たち」シリーズがあります。竜人の医者砧と鷲族ゴーシュナイト、斑鹿族の黒鳶と山吹のなれそめの話です。
主人公の二人を取り巻く世界観、空気感、種族の生き方を、周りからの視点で味わえるご褒美ストーリーです。
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