妹ミリーと、ルチア夫人のサポートが魔法となって、家族のお世話で埋没していた人生から彼が連れ出してくれた。
彼の言葉が魔法の呪文としては最強だったとはいえ...。
兎に角冒頭から彼は強引で積極的。物語登場の初めから押せ押せで、ヒロイン
が弄ばれたと思ってしまっても無理はないほど、彼の手に落ちるまで一気。ただ、ストーリーとしては、このタイミング、弟たちに退けられない様にするのは、細心の注意を払った、ということらしいが。
ヒロインは自信がないから、え?私?、という思いがどうしても抜けない。
服も可愛くて、脇役弟妹達の我儘っぷりの描写も、悪役然として憎らしく、見た目の可愛らしさとのギャップもひねりが効いて、ストーリーも、絵も、原シンデレラストーリーの義理姉と味方してくれる魔女の関係を生かして引き立てて、良かった。
このストーリーは王子(エリオット)がヒロインの良さに気づいていて、反面ヒロインが彼の指摘に頑なに我を通すシーンが、少し読者的にはもどかしかった。
その分、私は囚人だったのか、という気づきに至ると劇的なストーリーの転回部にスイッチが入るのだが、余り頑なだと、彼でなくても読者サイドでヒロインの弟妹に尽くし過ぎが気になるだけにヒロインに共感しづらく、その状況を抜け出す気がないのかと思えるくらい。味方してくれるミリーの魅力も、もっと出してくれても良かった気がする。
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